ブックオフで本を買ったら福引をさせられ、白い玉が出てきて50円の割引券をもらったり、セブンイレブン発泡酒をかったら100円分のガソリン割引券をもらったりした。こういうのはほんとうれしくないなあ。なんでだろ。
たぶんそこにはコミュニケーションがないからだと思う。ブックオフセブンイレブンも、その店員の好意で私に券をくれたわけじゃないということだ。
人からものをもらうときにうれしいのは、その品物の利便性とかお得感とかがうれしいわけじゃないんだと思う。くれた人が、どういう思いでそれを選んだのか、それを選んだときにこちらがどういう反応をすることを期待したのか、ということをこちらが想像する。そういうふうに相手の心の中に確かに自分が存在することを確認できるからうれしいような気がする。だから月並みな表現だけど、「プレゼントは値段じゃない。ハートだ」というのはその通りだと思う。50円の割引券よりも、50円使って暑中見舞いでもなんでもいいんだけど、はがきを送ってくれたほうが、うれしさは比較にならないほど大きい。
進化論的に考えても、人間にとってコミュニケーションはものすごく大事だ。だからコミュニケーションが成り立ったら、それ自体なにも得なことがなくてもうれしいと感じるようにできているのだと思う。私も人間なので、相手の気持ちを察したり、こちらの気持ちを伝えたりすること自体がうれしいと感じることがある。だから、相手(レジ係)の好意がまったくないまま割引券を渡されてもこれっぽっちもうれしくない。使うのすら億劫だから捨てるしかないのよ。こんなことならはじめから受け取らなければよかったんだ。もったいないよね。