ごはん
きんぴらごぼう
 

果てなき渇望―ボディビルに憑かれた人々

果てなき渇望―ボディビルに憑かれた人々

ビジュアル系のスポーツというとシンクロナイズドスイミング、体操、フィギュアスケートなどがあるが、どれもが華やかだ。
かたや同じビジュアル系のスポーツ(スポーツじゃないという人もいる)なのに、ボディビルだけは大衆の理解を得ることができずにいる。体脂肪を極限まで削いだ小さな顔に似合わない怪物的な筋肉、筋繊維の一本一本を強調するかのように全身に塗りたくられたオイル、不自然に焼けた肌、不気味な笑顔。気持ち悪い、無駄な筋肉、ドーピング漬け。ボディビルダーという言葉から連想する一般的なイメージはだいたいそんなところだろう。
また、日本にはボディビルダーのプロ制度はない(アメリカにはあるらしいが、10数人程度らしい)。それゆえ、サラリーマンとして稼いだ金の多くが、高たんぱく高カロリーの食事はもちろんのこと、サプリメントや人によってはステロイド剤に、つぎ込まれてしまう。そしてトレーニングにかける時間によって家族とのふれあいは減ってゆく。まさに筋肉のための生活・・・。
でもそんな生活と批判にさらされてまで、ボディビルダーはマッスルマッスルし続けるのだ。なぜだろう?
当たり前のことだが、その答えはビルダーによってまちまちだ。本書では何人ものビルダーが取材されているが、ただ巨大な筋肉を手に入れたいという思いもあるし、コンプレックスが動機になっていることもあるらしい。こういったインタビューに受け答えする彼らは、実に知性に富んでいるように見えた。そこに新鮮な驚きがあった。
本書の見所はここにあると思う。不気味な笑顔を振りまきながら筋肉を誇示する彼らは、筋肉の記号(筋肉バカ)として私たちに映り、ことさらその人格が意識されることはないように思う。でも、当たり前のことだが、彼らとて人間であって、やはり悩みもあるし考えてもいる。むしろ人に受け入れられにくいことをしているからこそ、人よりも多く深く考えているのだと私は思う。
紹介されているビルダーは三島由紀夫をはじめ、男性ビルダー、女性ビルダー、薬物ビルダー、老人ビルダーなどいろいろだ。立場ごとに相反する考えをもっていたりするのがとても興味深い。あとは幼児ビルダーなんてのも紹介されていたらもっとおもしろかったな(いないと思う)。
中でも女性ビルダーは圧巻であるよ。一般的に女性のほうが皮下脂肪が多いにもかかわらず、男性ビルダー顔負けの筋肉美を要求される彼女らのトレーニングは凄まじい。そして謎の審査基準「女らしさ」を前にして彼女らは逡巡するのである。
著者の精緻な文体はすばらしい。トレーニング時の描写は、読んでいるだけで筋肉痛になりそうなほど。心象の描写はもはや美文の域に達していて読み応え抜群。非常に面白い本でした。写真があればもっとよかったー。
 
焼き豚チャーハン
 
130円の GOLDEN BAT というたばこを発見。

味は別にいいが、フィルターがないので葉っぱが唇にくっつくのが気持ちわるいっす。早くなくなれー。
 
ごはん
みそ汁
 
転職サイトのおねいさんからメールがきた。
人事異動があったそうで、おねいさんは私の担当ではなくなってしまうそうだ。もう会えなくなるのか、寂しいなあ。以下の質問にお答えくださいとの事。
◆該当する項目をお選びください。
  A:転職活動を継続中
  B:既に転職済み
  C:転職活動を取りやめた

あー、えーと、私はどれかな。
前向きに無職やってます。