ごはん
塩昆布
 

北のサラムたち―日本人ジャーナリストが見た、北朝鮮難民の“真実”

北のサラムたち―日本人ジャーナリストが見た、北朝鮮難民の“真実”

10年ものあいだ北朝鮮難民を取材した記録。
北朝鮮の印象というと、金正日のもじゃもじゃ頭の印象が強すぎるのだけど、ここには生身の北朝鮮人民の姿が描かれているぞ。思っていた以上に北朝鮮の現状はひどいみたいだ。「花」を売る女性、少なすぎる配給、闇市の横で餓死する人々。テレビで見る限りでは一見「洗脳」されてそうな北朝鮮の人たちもやっぱりみんな金正日が嫌いなようです。まあ肉親が餓死している横で「金正日マンセー」なんて気持ちがおこるわけがないよなあ。
いちばん印象に残ったのは、北朝鮮人の心のゆがみである。難民を支援している中国人にまで「国が変だから、人間がおかしくなる」とまで言わせるほどに理解に苦しむ北朝鮮人の言動。必要のない嘘をつき、他人の悪口を言い、せっかちで、視野狭窄、こびへつらい、その場しのぎ、他人を信じず、自己中心的で、被害者意識過剰で、口が軽い・・・。日本円にして370万円の定着支援金を手にして、必要もない車やパソコンを買ったり、二重まぶたにしたり、読んでいてだんだん悲しくなってきた。独裁政治よりもこういう心のゆがみのほうが治療に時間がかかるだろうなあ。
著者はとても行動力のある人で、ある難民一家の亡命についていって協力したり、中朝国境付近のアパートで共同生活をしたり、なんとなく沢木耕太郎を連想させた(沢木よりは向こう見ずではないけれど)。力作でござい。
 
ひき肉のカレー
 
家賃は月末までに払わないといけないのだが、10月分を払うのを忘れていた。今朝6時に振り込んでおいた。大家さんにその旨を連絡したところ、
「ああ、いいんですよ。わざわざご連絡ありがとうございます。ところで3階からピアノの音が聞こえてくるんですけど、へっぽこさんですか?」
ときかれた。ギクリ。まさに私じゃないか。なんか恥ずかしいので
「いえー、私はピアノやりませんけど・・・。そういえば向かいの新しい部屋からお琴の音が聞こえてくるようになりましたね」
などとごまかして見た。
「ああ、3階の猿岩さん(仮名)ですね。あの方すっごくいいお琴をなさるんですよ。でもピアノはやらないはずですねー。ええ、ピアノはへっぽこさんじゃありませんでしたか、とってもいいんですけどねー」
私のピアノはヘタクソである。よしんば上手にひけるようになったとしても、マリオの曲だもんなあ。たぶんセロニアス・モンクのソロアルバムを大音量で流していたのをきいて勘違いしているのだろう。
 
ひき肉のカレー
 
なぜ料理は爆発しないのだろう。
いろいろな食材と調味料をまぜ併せているうちに、水素が発生して大爆発を起こすみたいな料理はないのだろうか。そういった料理は今のところきいたことがないので、たぶんないのだろう。でもひょっとしたら爆発の危険性がある料理はその危険性ゆえに一般的に知られていないだけかもしれない。実はとてもおいしかったりするのかも。
水素を発生させことでよく知られた実験は、鉄と塩酸を化合させるものだが、人間の食材に鉄が含まれていることはあるとしても、塩酸は含まれていないから(?)かもしれない。でも、爆発する危険性がある物質はとても多い。水素を発生させるのでなくても思いがけず危険な物質を発生させてしまうことは、あってもよさそうなものだ。よくないか。
理科の先生が「料理は身近な化学実験です」と言っていたのを覚えているが、本当だろうか。牛乳とごま油を併せた味は食べたことはないけれどだいたい予想がつく。化学反応であれば、もっと意外なものができてもよさそうだ。アボカドにしょうゆをかけたらマグロの味になるどころかマグロになるとか、スイカと納豆を一緒に食べたら体内で毒ガスが発生するからだめだとか、そのくらいのがもっとあってもいい。
理科の先生の言葉は、化学に親しみを持ってもらおうと思った結果かもしれないけれど、それでもちょっと安易だなあと思わざるを得ない。理科の先生なら自分の専門には厳密であってほしいものだ。料理は化学(まったく別のものになる)というよりは混合(複数のものを同居させる)の要素が強いと思う。うーんしかし化学反応が起こらないのはなぜだろう。少しは起こっているのかな。
「隠し味はガソリンです」とか平野レミならやってくれそうな気がする。