信号のない交差点をノーブレーキで突破する馬鹿が多すぎる。クルマもオートバイも自転車もみんなそうだ(警察官でさえも)。それが60過ぎくらいのジジイだったりすると、あんな運転でよくあの年齢まで生きていられたもんだと感心する。きっと多くの人々の親切があってこそ生きてこられたのだろう。まあ当のジジイはその親切に気づいていないわけだが。心の底から逝ってよしと思う。
まあそういうのは論外としても、なんだろうな、事故したという話を聞くたびに、かわいそうだなと思いつつ、事故するのも無理ないよなとも思う。これまで自転車で何万キロという距離を走ってきて、何回か死にそうになったし、何度も死にそうな人を見た。クルマで同じ距離をダラダラ走るのとは意識が違うのである。そこで思うのは、事故するには事故するだけの理由があるということ。思うに、道路交通法と自動車教習所で習うことを完璧に遵守していれば、ほぼ100パーセント交通事故にはあわない。道路交通法というのはそういうふうにできている。交通事故にあった人は、たとえ賠償的に過失がゼロであっても、やはり道路交通法か自動車教習所で習ったことを守っていなかったのだと思う。
、、、だが。
今の日本の道路状況では、道路交通法を完璧に遵守することは絶対に不可能である。たとえば自転車は車道の左端を走らなければならないが、それを守ろうとすると路上で客待ちのタクシーをさけることができず、客待ちのタクシーの最後尾でひたすら列が消化されてゆくのを待つしかない。そのとき自転車はどうすればいいのか。道路交通法をおかさなければならないのだ。つまりタクシーの右側を通過し、車道の左端とは言えない部分を通行せざるを得ない。
でもそういう事情はあるにせよ、少なくともスポーツ自転車に乗っている諸君、守れるところはちゃんと守ろう。どんなつまらない信号でも(腹は立つが)赤信号なら停止しよう。信号待ちでは自転車同士縦列停車をしよう。十字路の手前では一時停止して左右の安全を確認してから通過しよう。馬鹿らしいと思える(私は思わないが)手信号を明確に出そう。クルマが横に止まるのがうっとうしいのはわかるが、きちんと停止線で停止しよう。やむを得ず歩道を走らせてもらっているときは歩行者を驚かせないようにしよう。ライトは「点滅」ではなく「点灯」にしよう。右側通行はぜっっったいにしてはいけない。
自転車乗りの間では、スポーツ自転車に乗っている人間は交通ルールをちゃんと守っているという風説が流れている。よくそんな嘘が言えるもんだと思う。私たちは何のためにこのかっこわるいエイリアンヘルメットをかぶっているのだ。まさかルールを無視して走りながら自分の身を守りたいってわけですか?なんという身勝手さよ。自分の身を守りたいのなら、ヘルメットは二の次でいい。何よりも安全を確実なものに近づけるのはルールの遵守なのだ。