ベートーベンの月光と、ドビュッシーの月の光を聞き比べて、「どちらも月のすばらしい情景が描かれています」というようなことをラジオで言っていた。正確なことは知らないし調べる気もないが、どちらの曲も、もともと作曲者が月光や月の光というタイトルをつけていたわけじゃないだろう。ドビュッシーは微妙な気がするが、ベートーベンはたしか幻想曲なんちゃら番という番号をつけていただけであって、月を描いたわけではない。
音楽の感想として、情景を持ち出してくるのは昔から理解できなかった。音は、音自体で楽しむものであって、それを映像にたとえて説明するのは変だと思う。絵画を音楽にたとえることなんてしないだろう。それと同じくらいに変である。