虫垂炎の治療というと、虫垂を切除することだと思っていたのだけど、一説ではそれは間違っているらしい。虫垂は退化器官なんかではなく、消化を助けたりリンパを調整したりと今でも立派に機能しているんだそうだ。だから切除せず、炎症を抑える方向で治療するのが正しいのだという。まあ確かに、痛いところを切除するというのはあまりにも短絡的な気はする。頭痛がするからといって脳を切除しようなんてことにはならないわけだし。
だけど医学会でも虫垂の働きについてまだ統一見解はえられていないんだってさ。わからないことってけっこう多いんだね。医学は当然学問なので、時代とともに変わっていくのだ。
胃潰瘍についても、ピロリ菌というやつが原因だからピロリ菌をやっつければいいのだと昔聞いたことがあるんだけど、全滅させるのはやっぱりよくないらしい。ピロリ菌はもともと人間の体の中にあって、普段は体内の他の菌と共生しながら消化を助けたりしているらしい。要はそのバランスが崩れたときに胃潰瘍になるんだって。そしてそのバランスが崩れる原因のひとつにストレスがあげられるんだそうだ。だから胃潰瘍ってストレス自慢のネタになったりするんだが、それはあんまり正しくないのだ。ストレスはあくまでも原因のひとつなのだから、胃潰瘍になった人が一番苦労しているということにはならない。こういうことはちゃんと知っておかないと、恥かきそうだ。