奈良に住んでいるころから使っている枕がぼろぼろになった。枕カバーが裏表ともに真ん中からばっくり破れ、その中身ももはや元の色が何色だかわからないくらいに黒ずんでいた。自分の汚れだからいいものの、旅館なんかにこんな枕が置いてあったら確実にクレームがつくくらいの代物だ。しかし中身の色はカバーをつければ隠せるわけなので、とりあえずカバーだけを交換することにした。
枕のサイズは、横45cm、縦35cm。ところが店にいってもこのサイズのカバーが見当たらない。横60cm、縦45cmくらいのやつばっかりのようだ。最近は大き目の枕が主流なんだなあと思いつつ、それでも探し続けたがやっぱり無い。
ひょっとして自分が使っていた枕は子供用ではないかと思った。なにしろ少なくとも15年、ことによっては20年は使い続けているくらいだから無理もない。するとちょうどいいサイズのカバーは、アンパンマンの絵がプリントされていたりするわけである。さすがに30近いおっさんがアンパンマンと寝るというのもどうかと思い、結局枕じたいを買い換えることにした。今流行の、60cm×45cmよ。
しかしかーちゃんによると、あんたが使ってるのは子供用ではない、との事だった。そば殻の枕はたいていこのサイズのはずだそうだ。ところが今はそば殻の枕自体が少ないよってカバーもないんちゃうか、と。確かに、100%そば殻の枕はお目にかからなかったなあ。硬くてとっても気持ちいいのに。
新しい枕は、そば殻ではない。できるだけ硬いものをを選んだが、ふわふわだ。まあ何でも寝られるからいいのだけど。そもそもなんで枕が必要なのかというところからして実はよくわからない。