無差別殺人をやってしまった精神異常者というのは、どうなんだろう。本当に責任能力が欠落していたんだろうか。
ふつうの人からすれば、責任能力が欠落しているからこそ無差別殺人をするんだ、ということになるんだろうが、しかしそれはむしろ逆なんじゃないか。
精神異常者なら、最終的な手段としてあえて無差別殺人を意識することはないような気がする。殺人を最終的な手段として意識しているのは、私たち常人の考えであって、それはいわばとてもまともな考え方ではないだろうか。ふつうの殺人犯と大差ないというか。
責任能力があったからこそ、まさに責任能力という重荷に反逆したいという気持ちが起こるわけで、責任能力や思考能力や道徳判断が全然ないならば、もっとわけのわからない行為で彼の反逆心は解消できるはずだと思う。