峠をたずねて100マイル。
栃木県で自転車ツーリングしてきた。事前の計画では日立あたりを検討していたんだけど、特急でも2時間以上かかるので、日帰りではとても無理があると判断した。栃木県宇都宮なら、上野から新幹線で1時間もかからないのである。
ルートパート1。

今回もほんと思いつきで走った。とりあえず交通量の少なそうな道で軽く峠を越えたいということで、県道277号線の滝ヶ原峠(831m)を選定。3桁の県道だから問題なかろう。実際いってみると、途中まではずっと平地っぽく、でも速度が出ていないから一応上りかなあくらいの道が続いていたが、地図上でヘアピンカーブが頻出するあたりから突然高度があがりはじめた。
DSC09502 exposure resize - Photo Hosted at Buzznet
車は一台も見なかったがバイクは10分に一回くらい通る。
そこから一気に下って国道120号線沿いにでたところで、ルートを考える。中禅寺湖が近い。そこにいたるまでのいろは坂は交通量がかなり多そうだが、自転車的にも有名な坂なので挑戦してみた。
DSC09510 exposure resize - Photo Hosted at Buzznet
ヘアピンカーブごとに「いろはにほへ・・・」の名前がついている。
1,000m級の山道ではもっともたやすい部類に入ると思う。同じ程度の勾配がずーっと続いている。まあ国道だからなあ。ヘアピンカーブが何重にも続いているから、地図上のインパクトはすごいもんだが、逆にそのせいで道は楽になる。
中禅寺湖は予想通りの観光地だったので、たばこ吸ってすぐに降りてきた。
ルートパート2。

本日のメインとみなしていた細尾峠へ向かう。この道は昔はそれなりの交通量を誇っていたみたいだけど、下のトンネルができてからほとんど誰も通らなくなったらしい。こういう旧道は山岳派のツーリストにとってねらい目である。実際すばらしい道だった。枝が落ちているけど舗装はきれいだし、木々も植林ではなく自然のまま残っている感じ。そして時折出現する道端の石垣も楽しい。
DSC09521 exposure resize - Photo Hosted at Buzznet
DSC09522 exposure resize - Photo Hosted at Buzznet
峠の頂上で通行止めになっていた。今年はこういうの多いなあ。進入してもいいけど・・・ここで時間ロスすると日帰りできなくなりそうだから、安全策をとって来た道をそのまま下って、トンネルで足尾まで抜け、粕尾峠へ。
DSC09523 exposure resize - Photo Hosted at Buzznet
ここも県道だから道はきれいで、丁寧にヘアピンカーブが続いているからあまりきつくない(楽ではないが)。奈良側から登る信貴山のような、一直線の登りがいかにクレイジーかがわかる。
峠の頂上は分岐になっていて、一方は牧場へと続く登り道で、一方は宇都宮方面へのくだりだった。牧場方面から単独のローディーがおりてきて、挨拶を交わした。牧場方面の道を聞くと、舗装はきれいだが途中からダートも少しあるとのこと。今回は日帰りだし、まだ余裕あるからもう一発いっとくかーというわけで、牧場へ向けて登った。
DSC09527 exposure resize - Photo Hosted at Buzznet
「なんちゃらスカイライン」という名前こそつけられていないものの、それにふさわしい完璧な舗装。なかなかやるな栃木県。
DSC09529 exposure resize - Photo Hosted at Buzznet
200mくらい高度をあげたところに、まさに牧歌的な牧場が広がっていた。
DSC09531 exposure resize - Photo Hosted at Buzznet
今日の牛。無防備に道路の間近で寝ているくせに、「まいど」と声をかけるだけでびっくりしていた。でっかくておとなしくて、センシティブ。牛のよさはその辺にある。
時計をみると16時20分を指していた。そろそろくだらないとやばいことに気づき、ダートを突破しはじめた。でもなんか辺だなーと思ったらどうも下る方向を間違えてしまったみたいだ。北に向かうはずが東に向かっていた。まあどっちでも帰られるから気にしない。
DSC09536 exposure resize - Photo Hosted at Buzznet
200mくらい下ったはずなのに、この高度。ふつうの人が見たらハイキングの写真と思うだろう。毎回思うがよく登ってきたよなあ。
一息で20km以上を下ったらさすがに疲れた。
もうへとへとだ。宇都宮に着いた頃には、祭りが始まろうとしていた。どこもかしこも祭りだ。きつけの悪い浴衣姿の若いおなごが、お互いをほめあっている。「彼女らが本当に楽しいと思うことはなんだろう」と私は思っていた。
新幹線はちょっと心配になるくらい空いていた。空いていようが込んでいようが、デッキ部分にしか乗車しないから関係ないが、まあ人が少ないのは快適だ。発泡酒を飲んで足をマッサージしていたら、涅槃の境地に達していつのまにか上野に降りていた。
本日の走行距離は169.7km。