派遣先から正社員へのお誘いがきていることについて、実はあたくしも考えが少し変わりつつある。
ちょっと前までは絶対に断るつもりでいた。なぜ正社員になるのが嫌だったのかというと、辞めにくいからである。それにつきる。めんどくさい仕事が増えるからというのもあるけど、とにかく正社員というのは定年まで働くことを期待して採用されるわけだから、派遣より辞めにくくなるのがどうも嫌だった。
しかし考えてみるに、あくまでも私の場合だが派遣でも辞めにくいのは同じであるのだ。こないだ9月末で3回目の派遣契約が切れるときに、「契約更新せずによそでフリーターになります」とそれなりに強硬に言い張ってみたのだがなんやかやと説得されて結局更新するはめになった。もうそれなら派遣のメリットなんてないし、お誘いに乗るほうが得策じゃないかと思った。後々転職の選択肢も増えるだろうから。
そう思っていることを話したわけではないが、正社員になるにあたってどんな試練が待ち構えているのか聞いてみた。あまりきくとまたしつこいのでさらりと。
「とりあえず形だけの面接で済むと思う」
とのこと。
「なんや、気が変わったか?」
うお、やはりきた。油断できぬな。
「いえちょっと確認してるだけです」。
偉大なる母親が言うには
「世の中には正社員になりたくてもなれへん人が大勢いるんやから、あんたラッキーやで」。
さすが偉大なる正論である。それはそうなんだけど。