勤め先のすぐそばに、遊覧船の乗り場がある。夕方暗くなってくると、浴衣を来た女がたくさん集まってくる。それを横目で見ながら思う。
浴衣を見てもあんまり興奮しなくなった。いつからだろう。このところ浴衣がはやっているのは私も知っているが、その流行にあわせて、浴衣を見る機会が増えすぎたのかもしれない。銀座や大手町でも浴衣。あなかしこ。
それにくわえて横にいる男もおそろいで、あれはなんというのか知らないが、甚平のようなものを召して女の横に歩いている。まあ他人がどんな格好をしていようと構わない、というポーズをとるのが現代人の作法ではあるのだが。だが・・
なんかやっぱり、あれは「いけてない」ぞ。風流でもないし、おしゃれでもない。ただひたすら安易なにおいがする。サラリーマンが何の疑問もなく、スーツを着て歩くのとはまた違った安易さ。
でもなぜそうみえるのかわからない。単に彼らが着ているのが安物だからという可能性はある。