夫婦茶碗 (新潮文庫)

夫婦茶碗 (新潮文庫)

やっぱりおもしろい。2編入っていて、どちらもどうしようもない男の家庭の話だが、印象は対照的だった。ひとつ目の「夫婦茶碗」は、妻への愛がわりと明確で、意外にも心温まるお話。ふたつめの「人間の屑」は、妻よりもむしろ子を愛しているというのだが、その愛がどうしてこういう形でしか表現できないのかと読みながらもどかしかった。でもその屈折具合がとてもよい。
解説が筒井康隆なので、読んでみるとなかなかいいことが書いてあった。