仕事の合間に。
「梅雨ってもう明けたんですか?」と私。
「あーどうなんだろ、先週末にすごく晴れた日があったじゃない、あの日に明けたんじゃないかな。今年は雨少なかったよねえ」と先輩の言。
 
私はどうしても信じられないことがある。それは、去年の天気を覚えている人だ。「今年はあっついねー」とか、梅雨なのにぜんぜん雨降らなかったよねー、なんていっている人。あれは嘘だと思う。テレビだか新聞だかの天気予報で「今年はめちゃ暑いです」とかいっている情報を受け売りしているだけじゃないのか。
去年とひとくくりにしているものの、去年の中には「今日」がたくさんあって、普通の人にとっては、一年がどうあれ「今日」の天気こそがいちばん大事なのだ。そのほかの日は(とりわけ過去の天気は)どうでもいいんじゃないのか。
その日によって暑い日もあれば涼しい日もあるだろう。雨が降る日もあればふらない日もあるだろう。その個々の天気を「今年」とか「去年」とかいうくくりで総合して「今年は暑い」とか「去年の梅雨は雨が少なかった」とか判断する理由も必要性もわからない。総合するのは天気屋さんがやっていればいいだけであって、一般人は「今年」や「去年」の天気よりも、「今日」の天気や「明日」の天気を気にするだけでいいんじゃないか。過去の天気をわざわざ振り返ったり覚えておく意味なんてぜんぜんない。だから「今年の天気はどうこう」という話をきくたびに、ほんまかいな。と一言申し上げたくなるのだ。
 
そんなことはない、普通の人はちゃんと去年がどんな気候だったかくらいは覚えているもんだよ、というのならば、私が普通の人と感覚がずれているだけなのだろう。それはそれで別にいい。でも本当に覚えているのかそれが不思議でたまらない。