就職活動中にあったSPIというやつに、知能テストみたいなのとは別に適性診断テストみたいなのがあって、
いろいろと筋違いな質問をされたのを覚えている。その中のひとつに
 
 美術館によく行く
 
という質問があった。
おそらく、よく美術館にいくタイプの人か、いかないタイプ人か、を質問されているのだと思うが、
世の中には、住んでいるところの近くに美術館がある人と、ない人とがいるはずなので、この質問はおかしい。
美術館にからめてその人のタイプを判断するのならば、もっと多くの選択肢が必要だと思う。
 
 ・家の近くに美術館があって、よく行くし、美術品に特別興味を持っているタイプの人
  (恵まれたファン)
 
 ・家の近くに美術館があって、よく行くけれど、美術品に特別興味を持っているわけではないタイプの人
  (デートに利用するとか、涼みに行くとか)
 
 ・家の近くに美術館があれば、よく行くであろうし、かつ美術品に特別興味を持っているタイプの人
  (行きたいけれど遠いので行く時間がないとか)
 
 ・家の近くに美術館があれば、よく行くであろうタイプだけれど、美術品に特別興味をもっているわけではないタイプの人
  (知的に見られたいとか、ヒマだとか)
 
 ・家の近くに美術館がなくても、わざわざ美術館に出向くし、かつ美術品に特別興味を持っているタイプの人
  (熱心なファン)
 
 ・家の近くに美術館がなくても、わざわざ美術館に出向くけれど、美術品に特別興味を持っているわけではないタイプの人
  (そこまでして知的に見られたいとか、そこまでヒマだとか)
 
 ・家の近くに美術館があって、美術品に特別興味を持っているが、まったく行かないタイプの人
  (お金がないから行けないとか、その美術館はよくないとか)
 
 ・家の近くに美術館があって、美術品に特別興味を持っていないし、まったく行かないタイプの人
 
まだまだあると思う。
ちなみに私は、奈良に住んでいるときは
 
 ・家の近くに美術館があって、美術品に特別興味を持っているが、まったく行かないタイプの人
  (お金がないから行けないとか、その美術館はよくないとか)
 
であった。
東京在住の現在の私はというと、上の分類にはないけれど
 
 ・家の近くに美術館があるのだろうし、美術品に特別興味を持っているが、美術館を探すのが面倒くさいタイプの人
  (興味を持っているのか持っていないのかどっちやねん)
 
SPIというのは、美術館にからめてこれだけの質問を用意するよりも、他のたくさんの質問とを絡めて、その人を「総合的に判断」しようとしているのだから、それはそれで、間違ってはいないとは思うけれどね。