日本の国土について、沿岸部の長さは決して正確には計測できない。海の干潮があるというのも理由のひとつだけど、それだけじゃない。なぜかわかるだろうか。
沿岸部の長さは、どの程度の細かさで見るかによって変わるからだ。たとえばYahooの地図で縮尺を小さくした日本の地図はこんな感じである。

この地図の沿岸部を計測すればいいと思うかもしれない。だけど、たとえば気仙沼あたりの複雑な形の沿岸部の地図を、大き目の縮尺で表示するとこうなる。

はじめの図ではほとんど真っ直ぐな線で表現できた沿岸部が、縮尺を変えるだけでこんなに複雑になる。このレベルでなぞると、日本の沿岸部はかなり長くなりそうである。縮尺を大きくしていくにつれ(極端にいえば分子レベルで考えてもいい)、沿岸部はどんどん長くなっていく。だから日本の沿岸部の長さは正確には計測できないのだ。どんな物体にもいえることだ。
ちなみに面積ならけっこう正確に計算できるはずである。