何か工作物を展示してあるところに、「お手を触れないでください」と書かれていることがある。そう書いてあっても、触りたくなるのが人情というものだ。そのものがよくできていればいるほど、触りたくなる。ちっともよくないものは、誰も触りたがらないもんだ。
だから、誰かが「お手を触れている」ところを作った人が見つけても、たぶん怒らないと思う。怒っているように見えても、内心はうれしいはずだ。
 
数年前に、イサム・ノグチの彫刻が置いてある美術館にいった。そこの展示物は触ることができたのでおもしろかった。何でも触れる美術館ができたら、けっこう人気でると思うよ。