自転車のことについて考える時間が増えた。私は競技者ではないから、他の人より速く走るためではなく、自分が1年前よりも速く楽に走るための、フィットネスの手段としてよく考える。
機材についてはあまりわからないし、考えないようにしている。ただ、高いものはその値段相応によいということだけは言えると思う。私が機材について考えるのは、メンテナンス(注油、グリスアップ、消耗品の交換)のことくらいだ。フィットネスとして自転車を考えるなら、機材よりも、乗り方や、乗るときの意識が大切だと思う。
 
栄養について。とうぜんのことながら栄養はものすごく大事だ。ただ、多くの人は偏った考え方をしているように思う。BCAAというのを最近よくきくが、それについて考えるよりは、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミンC、A、B群、鉄分などについて考えるほうが有益だ。BCAAを気にするのは、それらの基礎的な栄養をきちんと採ったあとにすべきだと思う。
乗車フォームについて。自分のフォームをまったく気にしない人と、気にしすぎる人が極端に分かれているように思う。まったく気にしない人は、それでも楽しく走れているのならすばらしいことだと思う。自転車は楽しい乗り物だからだ。一方気にしすぎる人は、細かいことを気にしすぎているせいで、基礎的なことがなおざりになっているように思う。速い選手の形だけを真似するのではなく、なぜそうするとよいのかをきちんと考えよう。サドルの高さや前後位置が大事なのは、その位置によって筋肉の使われ方が変わるからだ。どの筋肉に一番パワーがあるか?どの筋肉が一番疲れにくいか?その点は個人差もあると思うのでいろいろ試すのもいいかもしれない。ただそれを考えることなく、サドルの位置ばかりを気にしても意味がないと言いたい。
そして自転車は効率が大事な乗り物である。たとえば前から見た場合、踏み込むときにひざがまっすぐな軌道にできているかどうかを気にしよう(これが意外と難しい)。クランクが歪んでまっすぐ回っていなければそのクランクはすぐに取り替えるべきなのと同じように、ひざがまっすぐ回っていなければそのフォームはすぐに直すべきだと思う。機材に求めるのと同じ精度で自分の乗車フォームの精度もあげていこう。逆に言えば自分の乗車フォームがばらばらであるのに高精度な(したがって高価な)機材を求めるのはナンセンスだ。