変な夢を見た。キッチンに黄金色でこぶし大のゴキブリのようなものが這い回っていて、それがたたきつぶれるところを想像するだけで吐き気がするのに、キンチョールなんてきかないので叩きつぶさざるを得ないという夢だ。
ここまではいい。変なのはそこから先だ。私はゴキブリが出てきたときに夢の中でこう思った。「この季節になるといつもこいつがでてくるんだよなあ」と。
私はこの夢を見たのは今日がはじめてだった。にもかかわらず、「いつも」という感覚がありありと感じられた。うまくいえないんだが、実際にいつもおこっていないのに「いつも」と感じるなんて、変じゃないだろうか。不思議な体験だった。既視感とは少し違う。既視感は、ある瞬間の映像がピタっと重なり合う感じだが、今日の感覚は映像ではなく出来事についての錯覚だった。「既事感」とでもいおうか。