派遣で今の会社に勤務しはじめて2年半くらいだが、そろそろ正社員になろかいなー、なんてことを考えている。一時期は別の会社で性能管理のスペシャリストとしてやっていくことも考えたけど、ひとつのことを一生やり続けるなんて想像するだけでも恐ろしくなってきてやっぱりやだ。
結局なにもしたいことがないから今の仕事をずっと続けるという選択になりそうである。なんというだらしなさ。いちおう正社員として採用するにあたって面接があるようだけど、そのときに志望動機をきかれたら「何もやりたいことがないのでこの会社にい続けようと思いました」って言ったら職を失ってしまいそうだ。今のうちに顔なじみのホームレスと友達になっておかねばなるまい。
たぶん多くの人が、子供の頃に「夢を持て」と言われ続けて無理やり持たされた夢が宇宙飛行士だったりすると思うんだけど、私も同じように夢なんてなかった。あるとすれば、それは職業の夢ではなかった。生涯仕事なんてせずに安楽に暮らしたいという希望を持っていた。でもそれがかなわないとわかった今となっては、仕方なくやり続けてもいいかなあと思えるような職業につきたいということが漠然とした夢になっている。
才能さえあれば、実は写真家やイラストレータや音楽家になりたいと思う。こう言うと自分の写真集を出したりしたいのかと思われそうだが、そうではない。そういうのは芸術家というやつで、常にモチベーションを保っていなければならないから絶対に続かない。しんどそうでいやだ。じゃあ私がなりたいのは何かというと、受注してから作るタイプの職業である。自分を表現するのではなく、相手の要望に合わせて作るタイプの仕事だ。商品の写真をうまいこと撮ったり、雑誌にふさわしい挿絵やロゴを考えたり、商品のイメージに合った音楽を作ったりするというふうに。きっと自分の好きなようにはできないから、そこに不満を感じることはあるかもしれないけど、むしろそうだからこそ長く続けられそうな気がする。衝動にまかせて作り続けるクリエイティブな仕事は、その衝動がなくなったらおしまいだけど、受注で作るのならどういうものを作ればいいかを相手から言ってくれるから楽だと思う。楽。結局のとことは楽をしたいだけだ。なんというだらしなさ。
でもそういう職業でさえ、なるための努力をする気が起こらない。だからもう今の仕事でいいかー、というのが現状の結論。