いつものように神社でラジオ体操をしていると、警察と救急車が乱入してきて、向こうの方で集まっていた。こんなところで何があったのかと思い、ラジオ体操が終わってから近づいてみると首吊り死体がそこにあった。ジャージを着たおっさんが看板の柱にもたれてうなだれていた。
首吊りというのは足がつくところでもできるとは聞いていたが、本当にあんなふうにできるのか。ちょっと見ただけでは酔っ払いが座って寝ているようにしか見えない。ラジオ体操のおじさんおばさんたちは「あれで死んじゃうんだねえ」なんてヒソヒソ話していて、不思議と恐怖はなかったみたいだ。私もそうだった。きっと死んだおっさんにとっては壮絶な何かがあってそういう事態になったのだろうけど、死んでみたらあんなにもあっけない。
死体がある真横でタラララちゃーんちゃーんとラジオ体操をしているのは不謹慎であるよな。