恐怖の兜 (新・世界の神話)

恐怖の兜 (新・世界の神話)

ロシア文学って、ドストエフスキートルストイや、あとは誰がいたっけ?まああんまり知らないけど、インドア派の引きこもりだった大学生時代にはたまに読んでいた。長くて暗くて当時求めていた世界観によくマッチしていた。音楽でもチャイコフスキーラフマニノフはアウトドア派の引きこもりになった今でも好きである。
でもそれらは古いのだ。決して古臭くはないけれど。思えば最近のロシアっぽいことは何一つ知らなかった。このヴィクトル・ペレーヴィンという人は現代ロシアの売れっ子だそうで。ページを開くといきなりチャット形式の文章が始まる。形式だけでなく実際チャットだ。さらに読み進めていくと、やっぱりチャットが続く。読み終わってみると全部チャットだった。ナレーションは一切無し。落語よりも徹底している。ストーリーは、ほとんどわからなかった。読み進めるうちにわかるだろうと思っていたら最後までわからなかった。でも最近読んだ中ではこれほど引き込まれた小説はない。正味の話おもしろくないけど、なんかすげー小説。ドストエフスキーと同じ国でこんなのが売れるロシアって、よい意味でいかれてると思う。
荒川区の図書館で「神話」の棚においてあったが・・・かがなものか。