パスタナポリタン
Photo Hosted at Buzznet
 
うちの犬はメスなのだが、小便をするときたまに片足を上げてオスの真似をすることがある。なぜそんなことをするのか、あるいはできるのか。
こないだ読んだハンフリーの「内なる目」という本には、犬には意識というものがないとかかれていた。つまり「我輩は犬である」という意識がない。自我がないといえばいいのか。
自我がないと、他人がやっていることや感じていることを自分の内面に投影することができない。本に書かれていた例をあげると、ハンフリーの飼い犬は風呂が嫌いだが、ご主人様であるハンフリーが風呂に入っているところをみても平然としているだけだという。もし犬に意識があるとすれば、自分があんな嫌いな風呂にご主人様が入っているところなんて見るにたえず、すぐさま救出しようとするだろう。でも、それをしない。なぜなら犬には意識がないから、というわけだ。
なるほどそんなものかいな、と読んでいるときは思っていた。でもこれって、うちの犬が他の犬の真似をすることと矛盾するのではないか。なぜなら「我輩は犬である」ことを知っているからこそ、うちの犬は他の犬の真似をしようと思いつくのだからだ。そうでなければ、他の犬が上げている足が、自分のどの足に該当するのかすらわからないと思う。
つまらないことを言うようだが、意識はあるかないかではなくて程度問題ではないだろうか。犬には人間ほどの意識はないだろうけど、まったくないわけではない。