ひじきごはん
さわらのしょうゆ焼き
グリーンピースの玉子焼き
アスパラのベーコン巻き
プチトマト
ごぼう
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貧乏料理人にふさわしいビジネスモデルをずっと以前から考案していたのだが、いまだそれを実行できずにいる。何かというと、自分が作った弁当をほかの人に売るというビジネスだ。・・・たいしたものじゃない。
料理というのは、品目が増えると手間も比例して増えるものだが、量が増えても手間はそれほど大きく変わらない。1人分作るのと2人分作るのでは、手間が2倍になることはない。私はここんとこ毎日会社に弁当を持って行っているので、これを2人分作って売れば、手間を増やさずに稼ぐことができるわけだ。
具体的にこのビジネスモデルを回すことを考えてみよう。まず値段はいくらくらいがよいか。ここで参考にすべきなのは2つ。すなわち社員食堂の値段と、私が作る弁当のおよその値段である。社員食堂の定食は、およそ430円〜480円である。一方私の弁当は・・・いくらくらいだ?今日の弁当を例に考えてみると

 ひじきごはん 30円くらい
 さわらのしょうゆ焼き 140円くらい
 グリーンピースの玉子焼き 30円くらい
 プチトマト 10円くらい
 ごぼう天 20円くらい
 計 230円

あ、今日はえらく高いな。まあいい。食堂の定食の価格を考慮して弁当の売り値は300円で販売するとしよう。すると私は弁当を作るたびに70円の利益を出せるわけだ。これって少ないと感じる人もいるかもしれないが、手間はほとんど(まったく)増えないのに70円もうかるんである。すばらしいことではないか。見方を変えれば230−70=160円で自分の弁当を食べられるわけである。毎日定食を食べるのと比較すると、毎食300円節約していることになる。これがいかにすさまじい数字であるかは自炊の経験がある人ならわかってくれると思う。
おまけに買う人にとってもハッピーである。栄養価は食堂の定食にひけをとらないはずだし、価格的にも毎食150円くらい節約できるのだから。
というわけであなたもハッピー私もハッピーでいいこと尽くめなんである。ビジネスというのはこうでなくちゃいけない。
 
・・・というような構想を、1年以上前のアルバイト時代から練っていたのだが、これが実行に移すとなるとどうもめんどうくさくてできないんである。
もっと具体化してみると、わかると思う。まず人によってメニューの好みがあるので、私は前日にメニューを考えて、社内のメールで回覧するとする。

 毎度ありがとうございます。5月30日(水)の”へっぽこ亭手作り弁当”のメニュー(予定)をお知らせします。
 ・ごはん
 ・ぶりの塩焼き
 ・プチトマト
 ・ピーマンとえのきだけの炒め物
 ・ハッシュポテト
 お弁当をご希望の方は本日の定時までにご返信ください。お値段は毎度ありがとうございますの300円でございます。限定2名様までですので、ご注文はどうぞお早めに。
 お支払いはお弁当と引き換えで願いいたします。

限定2名様、ということは自分のも含めて3人分の弁当を持ってこなければならない。んーこれは若干つらい。
さらに弁当箱をどうするかを考える。すなわち
 1.誰が弁当箱を準備するか
 2.食べ終わった弁当箱は誰が持って帰るか
1については、あらかじめお客様が弁当箱を持っていればいいのだが、案外みんなもっていないのだよね。まあ作らない人なら当然かもしれない。かといって、いつまで続くか知れたものではないこのビジネスに参加すべく弁当箱を新規購入されちゃったりしたら、プレッシャーになるしなあ。だから私が用意するしかないのだ。しかし弁当箱って安くないのだよな。初期投資として仕方がないとあきらめるしかないかも。
2については、仮にお客様が弁当箱を持って帰ると、次の日の朝、弁当箱はお客様の手元にあるわけだから、こちらで弁当を作れなくなる。つまり2日連続で注文できなくなる。だから私が弁当箱を持って帰るしかない。当然私が洗いもする。1の問題とあわせて考えると、私が弁当箱を準備して、食べ終わった後は私が人数分の弁当箱を持って帰って、洗うしかないということになる。これが、なんとなくぱっとしないのだ。
何かというと、それって手間が増えることになるからだ。このビジネスモデルのメリットは、手間が増えないことにあるはずだったのに、洗い物が増えると手間が増えてしまうんである。料理は2倍作っても手間は変わらないが、洗い物は量と手間がきっちり比例する。ここをクリアしないとどうもやる気にならない。おまけに自転車通勤だからそんな複数人分の弁当箱を持っていけないもんなあ。