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リサイクル幻想 (文春新書)

リサイクル幻想 (文春新書)

とてもおもしろい。今はなんでもリサイクルしなきゃだめだとか、ごみを分別して出さなきゃだめだとかいわれているけど、実は「なぜそうなのか」という理由をまともに聞かされたことがない。だからリサイクルってほんまにええもんかいな?と漠然と疑問を抱いていたのは私だけではないはず。
この本はその疑問に答えてくれるものだ。リサイクルが大事?そりゃそうです、お説ごもっともだけれど、でもなんでもかんでもリサイクルすれば済むってもんじゃないですよ。ちゃんとリサイクルする場合としない場合との比較けんとうをせねばいかん。一例をあげると、紙をリサイクルするときは、木を切って一から作り出すよりも多くの資源が使われますよ。そしてごらん。世界の森林は減るどころか増えてるぽいよ。等等と説明する。ええ話や。
化学系の解説がけっこうあって、理科嫌いの私はちょっとおく面してしまうのだけど、リサイクルを考えるのって物質をどう遷移させるか、というはなしだから化学の話抜きには議論できないものなのだ。そのことは私だけではもちろんなく、世間の皆様もちゃんと認識しなきゃいけないと思う。
「使ったものをまた使う」。この言葉だけをきくと、そりゃいいことだよなとみんな思う。でもそんな気分だけで動いてしまってはいけないのだ。せっかくの大きな頭、自分たちがやっていることややろうとしていることをちゃんと検証して、理屈に基づいて動いていきましょう、今ならまだ取り返しがつくかもしれないので、今一度リサイクルの有効性を見直してみましょう、ということ。