コロッケパン
ローズネットクッキー
 
こないだからずっと報告書を作っているのです。これはいいぞと思えるネタがあるので、ぜひともそれを使おうという話になっていた。けれど、なんだかそのネタは却下された。なぜなのか理由を聞いてみると
「ネタは小出しにしたほうがいい。今年のネタはもうすでにあるのだから、せっかくだけどそのネタは来年の報告書で使おう」
えええええ!私はもう返す言葉を思いつかなかったよ。こんなに遅くまで仕事をして、ヒイヒイ言いながら作っている報告書を、作為的に手抜きしろと?何考えてんの。
今作っている報告書は、道路を作るための基礎資料となるものだ。道路というのは、毎年1万人もの人が交通事故で死んでいる場所だ。その道路をもっと安全で快適にするためには、どうすればいいのかなと考えること、もしくはこうしていこうよと提案することが、私らの仕事じゃないの。それをするためにこんな分厚い資料を作っているんじゃないか。それなのに手抜きをしろと?ああもうゼツボー。
この会社の手抜きのせいで、もっとよくできていたかもしれない道路が改善されないまま放置されるわけだ。そのせいで不便な道路にイライラしたりため息をついたりする人がいるってことを、そして死ぬ人さえ出てくるってことを、看過しちゃうわけだ。今までずっと事故の調査や統計を調べてきたのは、みんなの安全や快適さのためじゃなくて、私らがお役所から金をもらうためだけにやっていたってことか。はあそうか。
まー会社なんてそんなもんか。そんなもんだよな。それが現実だよなあ。でも、私はそんな仕事は嫌なんだなあ。
どうせやるなら、自分の生活だけのために働くんじゃなくて、みんなの役に立ちたいよ。そう思いながら安い時給で働いているのだ。私なんて本当に微力だけど、みんなや自分にとってもっと気持ちのいい道ができるように、出せるアイデアは全部出し切りたい。それで来年ネタ切れになったとしても、そんなこと知るか。来年はもっといいアイデアを出せばいいではないの。今年出し惜しみすることで、来年のアイデアを生み出す可能性が先送りされてしまう。これは、とても残念なことだ。
こういった発想がでてくるのも、毎年決まった仕事がお役所から降ってくることに原因があるのだろう。でないと「来年までとっておく」なんて芸当ができるはずがない。なあなあの極みですな。役所のかたがたは発注先を考え直したほうがいいかもしれないよ。私もそろそろ次のバイト先を考えますわ。