焼き飯
ブロッコリー
ひじきの煮つけ
 
うりゃ、2時半帰りじゃーい。
深夜まで残業をしていると必ずプチ会議がはじまって、「そもそも今やっていることなんてさあ・・・」という話になってきて、仕事のそもそも論が展開されるのが常である。この会議に参加することが出来れば社内でのコミュニケーションはおおむね円滑と見てよい。
しかしまあこの会議は実質的には何の意味もない。納期も迫ってきていて最後の追い込みをかけている今のようなときに、そもそもと話をしてもしょうがないのだ。今からやり直すことなんてできるわけがないし、こんな話をしたところで何も前進しない。
ただ会議の参加者はその点については合意している。そこが妙なところではある。普段はほとんどパソコンに向かいっぱなしの仕事をする人たちにとっては、それぞれの本音の意見を交換し合える貴重な場面、ということになっているようだ。どこの会社も同じですな。帰りたいんだけど。
だんだん仕事の話を離れてきて、普段の暮らしぶりとかこれからどうするのかとか、転職の話とか、になる。そこで社員は言っていた。
「一日5時間くらい家で働いて月給30万とかいく仕事があれば、おれぁ絶対この会社辞めるね」
そりゃそうだろうな。みんな同じようなことを考えているね。だけどそれは贅沢だ。何が贅沢かって、30万を望むところが。
月30万も要るのかなあ。彼女がいて、結婚をしたい。そうすると子供もできるだろうからまともな住まいを構えて、とか計画を立てだすと、それくらい必要なのかもしれない。が、その類の計画はみんな立てているけれど、私はそこに必然的なものを何も感じられない。
そもそも(ここでもそもそもだが)彼女ってそんなに必要なのかなと思う。結婚とか家族とかについては、最近懐疑的な人が増えたけれど、異性との付き合いについて懐疑的な人はまだそんなに多くない。これはなぜだろう。家族についてはいわば存在論的なつながりがあるといえるけれど、恋愛対象になる異性なんて赤の他人じゃん。家族を疑うのであれば、異性との結びつきを疑うのも当然だと思うのだが。
まあそんなことはどうでもいいんだけど、とにかく月30万など必要じゃないでしょう。そんなにあったらむしろ楽しみが減ってしまうぞ。せめて20万でOKなら、選択肢はかなり増えるのに。フリーターになれるのに。そしたらこんな残業から開放されて、こんな会社からも開放される。
ちょっと貧乏になってしまうけど、たぶん、それがあなたの一番望んでいることなのだ。そこにジレンマは無い。少し不安なだけだ。